友達、学校、初めての経験いろいろ
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小銭をドブに捨てた日
あの日も、いつものようにひとりで歩いて、ひとりで遊んでいて、手の中には小銭がいくつかあった。 どこで手に入れたかは覚えていないけど、それは 盗んだものじゃない とだけははっきり記憶してる。 何せ、あの一万円事件のあとだったから。。 私はそれか... -
1万円事件
小学一年生になったばかりの春。 早い下校時間に帰宅しても、家には誰もいなかった。 共働きの両親、帰りの遅い高学年のお姉ちゃんたち。 そんな中で、毎日私の帰りを迎えてくれていたのは、三匹の猫たちだった。 たま、くま、ふんずけ。 彼らは何も言わず... -
蟻と私。
保育園だったか、小学校低学年だったか、とにかく私は、よくひとりで遊んでた。 そもそも、誰かが一緒に遊んでくれるってことが、あんまりなかった。 でもそれが、特別さみしいって思ってたかというと、どうだったかな。 本を読むでもなく、勉強する気もま... -
ブランコで母をの帰りを待ってた時の話。
母の帰りを。父が起きてくるのを。友達が声をかけてくれるのを。先生が私に目を向けてくれるのを。私は、いつも誰かを、何かを待っていた。 でも、それは苦しいことではなかった。あの時間、私は案外、楽しかったように思う。 ブランコの上で、風と遊びな... -
色眼鏡のはじまり
ピカピカの一年生になった春、私は彼女と同じクラスになった。あまり人と深く関われないタイプだった私にとって、彼女は不思議な存在だった。どこか自分と似た空気をまとっていて、気がつけば、ふたりで一緒に下校したり、小さなことで笑ったりしていた。 ...
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