50年という半世紀を生きたからこそ、過去を思い出したくなる。楽しかったことも、悔しかったことも、ぜんぶ。
いつか誰かが読んでも、読まなくてもいい。
ただ、ここに残しておこう。
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おしっこもらしちゃった私へ。
卒園式が近づいていた。 その日、みんなは舞台の上で出し物のリハーサル。少し本番に似せた雰囲気に、なんだか私の体はずっと緊張していた。 朝から、トイレに行きたかった。でも、言えなかった。言ったら迷惑かな。怒られるかな。空気、壊しちゃうかもな…... -
色眼鏡のはじまり
ピカピカの一年生になった春、私は彼女と同じクラスになった。あまり人と深く関われないタイプだった私にとって、彼女は不思議な存在だった。どこか自分と似た空気をまとっていて、気がつけば、ふたりで一緒に下校したり、小さなことで笑ったりしていた。 ... -
無言の砂場(孤独と共鳴の記憶)
いちばん最初の記憶は、保育園の砂場。 私は、毎日のようにそこにいた。小さなスコップを持って、しゃがみ込んで、ただ黙って砂をいじっていた。 手のひらに伝わるひんやりとした感触だけが、自分の中と外をつないでくれるような気がしていた。 喋るのは、... -
はじめに
人と同じように生きたかっただけなのに、どうしてこんなに回り道ばかりしてきたんだろう。そう思う日が、昔はたくさんありました。 けれど今は、その遠回りの景色が、なんだかとても豊かに感じられます。あのとき泣いたことも、笑ったことも、うまくいかな... -
自叙伝プロジェクトへようこそ。
ポップコーンを片手に、色めがねをそっと外して─ これは、えっちゃんがちょっとずつ世界の見え方を変えていった、旅の記録です。 かつて私は、自分の目じゃなく、誰かのレンズを通して物事を見ていた気がします。 それはそれで、まあまあ刺激的だったり、...
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