「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」
を観にいった。
最近やっと
ひとり遊びが板についてきてうれしい。
クラシックもピアノも縁がなくて
スタニスラフ・ブーニンさんのことも
この映画で初めて知った。
知識ゼロで初心者なんだけど
なんとなく惹かれて。
ブーニンさんの演奏が始まった瞬間
すぅーっと、体の奥に音が入ってきた。
とても澄んでいて
視界が開けていくような感じがした。
音を聴いているだけなのに
そこに空間が生まれて
景色が見えてくるから驚きだ。
映画館の椅子に座ってるだけなのに
どこか別の静かな場所に立っているみたいだった。
そして気づいた。
そうか、聴いてるんじゃなくて
鳴ってるんだ。体の中で。
上手いとか、すごいとか、技術とか
正直分からない。
でも、自分の中の細胞が
その音と一緒に震えているのは
はっきり分かった。
「あー、これが共振ってやつか」って。
理屈じゃなくて、体が先に分かってた。
その振動の中にいると
体の力がゆるんで、呼吸が深くなって
とても気持ちよくて気づいたら
最近下がってばかりの口角が上がってた。
私はこれまで、よく
「軽く」って言葉を使ってきた。
重たいままだと、前に進めなくなる気がしてて
だから、なるべく軽く、軽くと
軽くなることにこだわってた。
でも、ブーニンさんの奏でる音の中に身を置いたとき、ブーニンさんの生き方を知ったとき
「重い」を取り違えていたぞって分かった。
深いものは、押してこない。
むしろ、ひらいていく。
重たいものがそこにあっても
その重みが深みをサポートしてくれているのかと。
軽くならなくてもよかったんだな。
そもそもが、軽くなろうなろうと
これこそ自分を縛り付けてた感覚だったのか。
深く重いが
愛おしく感じられた。
映画に触れられて
観させてもらえてありがたかった。
これは、私にとって、けっこう大きな発見だ。


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