歓喜のあとに、乳がんがついてきた日

2月の寒い時期なのに、太陽の日差しと空気がやけに暖かい日だった。

まるで春がフライングしてきたみたいな、そんな気持ちのいい日。娘と相方と一緒に近所を歩きながら、ランチへ向かっていたとき、1本の連絡が入る。

「結果が出ました」

その瞬間、私はスマホを握りしめ、叫んだ。

ついに…!待ってたよ、この日を…!!やったー!やったー!やったーーー!!!!!!

もうそれは、飛び上がって抱きしめたくなるほどの喜びだった。ずっと待ち望んでいた結果が、ついに形になったのだ。

今日だけは、「喜び続けることを自分に許可しよう」と決めて、ニッコニコでランチを食べた。

美味しすぎて、どんな味だったか覚えていないくらい。

その2日前、私はなんとなく2年半ぶりに乳がん検診を予約していた。

ほんと、「なんとなく」。

特に気になることがあったわけでもなく、ただふと気が向いたから。そんな軽い気持ちで、区の検診を受けるためにブレスト専門クリニックへ喜びと共に行った。

世間ではマンモグラフィーは痛いと恐れられているらしいけど、私のおっぱいは、きっと脂肪の塊なのだろうね、まったく痛くない。首を90度に曲げる時の首筋と肩の痛みの方がよっぽどであって。。

担当のお姉さんの腕がいいのだろうね本当は♡

そう言う病院選んでるしさ♡

で、検査を終えて先生のもとへ戻ると、パソコン画面に私のモノクロのおっぱいが映し出されてて、先生は、画面を見ながらこう言った。

「これ、みてごらん、種があるんよ。」

種?

「その種育つやつですか!?」先生の表現が楽しくて思わず笑いながら聞いてみると、先生は真顔の私の反応への戸惑い顔で

「これね、市の検診に出すと時間がかかるから、すぐに保険診療に切り替えるよ。」

と、機転を聞かせてくれて話が進む中

ん?

なんか急展開?なんだなんだっ?てな感じでそのまま触診してもらうと、自分でもはっきりわかるしこりがあった。

エコーで見ると、大きさは6ミリ×8ミリ。

先生は「今検診しといてよかったね!初期だから大丈夫だ!でもね、、うん、がんの可能性があるね。MRIを撮ってきて。」って。

え?がん?あの、あの「がん」?

でも、私はその場で衝撃を受けなかった。普通なら「えっ!?どうしよう…」ってなるんだろうに。

でも、この日の私は「やったー!」の余韻が強すぎて、頭の中で、乳がんという単語が、ただの「へぇ~」くらいのテンションで流れていった。

先生に「おそらく部分切除と放射線、ホルモン療法かな」と言われても、「へー、なるほど~」くらいの感覚。

「乳がんは9人に1人になってるからね」

と説明してくれた時も、「えっ、そんなにいるなら、もう普通のことじゃん!」って思ったし、「初期なら2泊3日くらいの入院で済むし、仕事もできるよ」と聞いたら、

「じゃあ大丈夫じゃん!!」と、ものすごく軽いノリで返していた。

多分、私は本当に「嬉しさマンパワー」に満ち溢れていたんだよね。普通なら「衝撃」のはずの乳がん宣告が、むしろ「そっか~」くらいで終わってしまうくらいに。

自宅に帰ってから、娘に「あ、私たぶん乳がんだわ」って普通に報告した。

娘「え?」

私「でもね、大丈夫だから!」

娘「いやいや、もっと衝撃受けなよ!」

私「いや、だって私、今めっちゃ幸せなんだもん!」ってな感じ。

こんな母親、どうなんだろう。。とも思うけど、これ私だ。

普通なら「歓喜」と「衝撃」が同じ日に来たら、喜びと悲しみが入り混じって複雑な気持ちになるんだろうけど、この日の私は「歓喜」だけを感じてた。

その歓喜はどれほど強かったかというと、乳がんの告知すら、「ただの情報」みたいに思えたほどに。

でも、これは決して「現実逃避」ではない。私は嬉しい。その気持ちがすべてを超えていって、だから、がんすらも嬉しさの一部になった。

人生って、本当に面白い。

私の心は、こんなにも強くて自由だっだのかと。

もしこの記事読んでくれた方が「乳がん検診、そろそろ行かなきゃな~」って思っていたら、このタイミングで、ぜひ予約してみてほしい。

もしかしたら「今がちょうどいいタイミング」かもしれないから。

アフラックのあひるちゃんみたいだね笑

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次