心が重かったあの頃と、バシャールとの出会い
小学一年生の時の「一万円事件」
あれ以来、私は猛烈に自分を責めるようになった。「私はダメな子なんだ」「価値がない」そんな思いがじわじわと心に染みついて、いつのまにか当たり前になっていた。
勉強に集中できなくなったのもその頃からだった。教科書の文字は頭に入ってこなくて、代わりに気になるのは、周りの音や光、人の気配。
まるで神経がむき出しになったみたいで、自分でもうまく言葉にできなかったけど、ただそこにいるってだけで疲れてしまうような毎日だった。
当然、成績はガタ落ちで、小学校でも中学校でも、「できない子」のレッテルを貼られた。
中学では思春期の不安定さも重なって、気持ちはいつもぐちゃぐちゃで、どこにも居場所がないまま、ただ学校に通っていた。
教室の中にいても、どこかに取り残されているような感覚で時間が過ぎるのを、ぼんやりとやりすごすだけだった。
「このままじゃ、ずっと何も変わらない気がする」そう思って、高校はあえて地元を離れて、私立女子校を選んだ。誰にも知られていない場所で、やり直したかったのかもしれない。
その女子校の空気は、意外なほど私には心地よかった。男子がいない世界は、思っていた以上に静かで穏やかで、誰かと比べられるプレッシャーもなかった。みんなあっけらかんとしていて、いじめもなくて、女子同士の気楽さがあった。
でも、心の中は、ずっとモヤモヤしたままだった。晴れた日でも、どこかに悲しさがこびりついていて、抜けなかった。
理由もわからないのに、ただ苦しい。
自分の中に、自分の居場所がない感じ。
私は、「私の心にちょうどいい本」を探していた。下校時に本屋に寄って「心」とか「生き方」とか書かれたコーナーに立ち尽くし、自己啓発や宗教っぽい本をなんとなく手に取っては戻していた。
どれも真面目すぎたり重すぎたりして、私の求めていた、ちょっと軽くて、ちょっとやさしい感じがなかった。
そんなとき、ふと目に入ったのが「スピリチュアル」という文字。その棚の端っこに、少し異質な雰囲気の本があった。
『バシャール』
表紙には宇宙とか光とか、どこか現実離れしたイラスト。「なんだこれ?」と思いつつページを開いてみたら、中に並んでいたのは、不思議と心にスッと入ってくる言葉たちだった。
「ワクワクすることをやりなさい」
「すべてはあなたの選択次第」
「現実は、あなたが創っている」
意味はよくわからなかった。
でも、「なんか…これかも」って感じて、なけなしのお小遣いでその本を買って、帰ってから夢中で読んだ。
学校を休んで読みふけった日もあった。
あのときの私にとって、バシャールは希望の仮説だった。
現実ではどうしてもうまく生きられなかった私が、別の世界なら自由に飛べるかもしれないなんて思わせてくれた存在だった。
この出会いが、私がスピリチュアルの世界に足を踏み入れた最初の一歩。
でもその一歩は、のちに 少し違う方向 へ、私を連れていくことになる。
今日のイラスト 本屋さんだよ

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