人と同じように生きたかっただけなのに、どうしてこんなに回り道ばかりしてきたんだろう。
そう思う日が、昔はたくさんありました。
けれど今は、その遠回りの景色が、なんだかとても豊かに感じられます。
あのとき泣いたことも、笑ったことも、うまくいかなかったことさえも、よくここまで集まったなあと感心するくらい、今の私の材料になっています。
生きてると、「誰の人生だろう?」って思う瞬間、ありませんか。
誰かの期待とか、流行とか、スピリチュアルな“正しさ”とか。
気づいたら、自分の声がいちばん小さくなってるような日々。
私もずいぶん長く、自分の声を黙らせていました。
でもやっと今、「書いてもいいかもしれない」と思えています。
この自叙伝は、どこにでもある人生のようで、たぶんちょっとだけ変な、私の話です。
大失敗も、変な癖も、人に言えなかった想いも、こっそりここに置いていきます。
笑ってもらえたらうれしいし、「あー、そういう人いるよね」ってクスッとしてもらえたら、なおうれしい。
でももし、どこかの一節が、あなたの心の“少し重たい部分”にふっと風を入れられたら、
それはとても、うれしいです。
生きてきたことを、少しずつ好きになっていく。
この自叙伝は、たぶんそのために書いています。
あさいえり
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